稲の収穫も終わり、刈田に冬の渡り鳥が群れをなして舞い降りる季節となりました。
本日は、多くのご来賓のみな様、そして村民のみな様のご出席をいただき「大潟村創立45周年記念式典」を挙行できますことに、心から御礼申し上げます。
大潟村は、八郎潟干拓により1964年(昭和39年)に誕生し、45年を迎えることが出来ました。干拓当時は湖底が干上がった草や木も生えていない、未開の大地でした。そこに、農地を整備し、ヨシの種を蒔きポプラや松を植え、公共施設や農家住宅の建設、そして、入植農家の営農が開始されモデル農村作りが始まりました。
ヘドロとの戦いなど幾多の困難を乗り越え、現在、緑豊かな街路樹、整備された住宅街、手入れの行き届いた広大な農地が広がり、村祭りや盆踊りなど大潟村の伝統文化も育まれてきました。
この豊かな大潟村を築いていただいた八郎潟新農村建設事業団、入植農家、農協や役場職員など、村作りに関わられた多くのみな様に深く感謝申し上げます。
また本日は、村づくりに精励されたみな様を功労賞及び感謝状を贈呈し表彰いたします。受賞者のみな様の活動は、村民の模範であり深く敬意を表し感謝すると共に、今後のご活躍をご祈念いたします。
八郎潟干拓は、日本の食糧不足の改善と周辺市町の水害対策を目的に行われました。干拓により水害はなくなり、周辺市町の農業も安定いたしました。
食料生産では、昭和45年から始まった減反政策に翻弄されながらも、厳しい農業情勢のなかにおいて耕作放棄地を一切出さず営農を継続出来たことは、農業者の努力の賜と深く敬意を表するものであります。
この半世紀の間、日本農業は食料自給率を約70%から40%まで下げる嘆かわしい状況です。現在、農業・農村に対する国民の関心も高く、食料自給率の向上と農村社会の再生は日本の大きな社会課題となっています。
民主党政権となり、農政を含めた政策は大きく変わろうとしています。その中でも、食糧自給率の向上と農業・農村の再生は重要な位置づけとなっています。そういう意味では、現在においても大潟村の果たす役割は大きいものと考えます。
今回の民主党の農業政策には期待をしていますが、所得保障の詳しい内容がまだ示されていません。次年度の営農計画を立てる時期なっていますので早期の提示をお願いしたいと思います。また、米粉等については今年度並みの保障があり心強く思っていますが、大豆など畑作については不十分で、大潟村では今年度と比較して15,000円下がる内容となっています。食糧自給率の向上には水田の有効活用による米粉や飼料米は欠かすことができません、そのなかで大豆は米粉や小麦では代替えできないタンパク質の重要な食糧であり、味噌や醤油、豆腐など日本食には欠かすことのできない貴重な品目です。是非、その振興もよろしくお願いしたいと思います。
現在、大潟村では農薬や化学肥料の使用を出来るだけ減らし、濁り水を出さない取り組みなど、八郎湖の水質への負荷を減らす「環境創造型農業」を推進しています。また、ソーラーカーラリーやマグナス風車、バイオエタノール、バイオディーゼル等、二酸化炭素の排出を減らす新エネルギーへの取り組みも進んでいます。今後は、「環境創造型農業」を通じた「安心安全な食料生産基地」と「新エネルギーの生産・供給基地」を目指して参ります。
一方、この45年の間に大潟村の自然環境も豊かに育まれてきました。特に、田畑を含めた「湿地性里山」環境が、絶滅危惧種のオオセッカやチュウヒ、ヒシクイをはじめとする多くの野鳥を支えています。私たちは、このすばらしい環境をさらに豊かにし、次代に引き継いでゆかなければなりません。そのためにも八郎湖の水質改善は必ず果たさなければならない大きな課題であり、周辺市町との連携を更に強め共に取り組んでいくことが大切であります。
この春、大潟村で撮影が行われた、NHKの「ダーウィンが来た」の番組で、「幻の草原の鷹チュウヒ」が来年1月下旬に放送になります。NHKの撮影隊は世界の自然を見ていますが、これほど多くの野鳥が農業と共生していることに驚いています。そして、NHKのBS番組のプレミアム8においても、冬鳥の撮影を加えて「田畑が育む野鳥の王国」として来年2月下旬に放送される予定です。
このように村の自然は、NHKに続けて放送される栄誉をいただきました。大潟村の豊かな「湿地性里山」環境を更に豊かにし、この素晴らしい環境を発信し村の活性化に結びつけてゆきたいと思います。
今、村では50周年に向けた村史の編纂を開始しました。また、今後8年間を見通した「大潟村総合村づくり計画」や「学校建設の基本設計」など将来につながる重要な審議も進んでいます。
大潟村の豊かな自然、肥沃な農地、伝統と文化は干拓後に育まれてきたものです。その根底には、開拓者精神フロンティアスピリッツがあります。先人が築いたこの豊かな大潟村を、今後50年100年と時代を超えて続く、真に豊かな、世界に誇れる大潟村を目指して参ります。それには、開拓者精神を引き継ぎ、人材の育成を図り、村民が力をあわせ努力し、周辺市町村との連携を更に深めて参ります。
今後とも、大潟村のため、みな様のご指導とご協力をよろしくお願い申し上げます。
本日は本当にありがとうございました。
平成21年11月1日
大潟村長 髙橋 浩人